あの夏の続きを、今


やがて、住宅街のある丘までたどり着く。


坂道を少し登ったところで、見慣れた公園が視界に入る。


その公園の中央にある、屋根の付いた円いベンチが目に止まった。


あそこなら、雨宿りできそうだ。


私は急いで、ベンチの屋根の下に駆け込んだ。


息を切らしてベンチに座り込むと、濡れて束になった前髪から、雨の滴がぽたぽたと制服のスカートの上に落ちる。


私はナップサックからタオルを取り出すと、身体と髪を拭いた。


ここから家まではまだ長いし、ここでしばらく雨が止むのを待っていた方がましだろう。そう思い、私はしばらくベンチに座ったまま待つことにした。


降り注ぐ雨は屋根に落ちて激しくバラバラバラと音を立て、屋根の縁から滝のごとく流れ落ちる。


時折、空に稲妻が走り、激しい雷の音が聞こえてくる。


こんなに激しい夕立に遭ったのは、久しぶりだ。


早く、止んでくれるといいんだけど────


そう思いながら、特にすることもなく、暗い空をぼんやり眺めながら、これからのことに思いを馳せていた。
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