あの夏の続きを、今
────そして。
「それでは結果発表に移ります」
全ての学校の演奏が終わった後、私たち部員は、ホールで結果発表を聞いていた。
座席は既にそれぞれの学校の生徒たちで埋まっていて、私たちと同じように結果を聞きにきた先輩たちは、ホールの隅の方で固まって立っている。
ステージの上のマイクの前に立った小太りの男性が、演奏順に結果を読み上げていく。
「ゴールド、金賞」の声が出る度、ホールのどこかの集団から歓声が湧き上がる。
────果たして、私たちは金賞を取れるのだろうか。
私たちの学校の順番が近づくにつれ、周りに緊張感が走る。
「14番、O市立J中学校」
ついに、私たちの番だ。
目をぎゅっと閉じて、息を呑んで結果を待つ。
────「ゴールド、金賞」
その声と同時に、私ははっと目を開く。
「きゃああああーーーーーーっ!!」
「うわああーーーーーーー!!」
「金賞だーーーーーーーー!!」
「やったあああーーーーーーー!!」
誰が誰の声だか分からないほどに、歓声を上げる部員たち。
────だけではない。
少し離れた所で見ていた先輩たちも、歓声を上げて、抱き合って喜んでいる。
湧き上がった会場は、またすぐに静かになり、そして残りの学校の結果発表が終わる。