あの夏の続きを、今
一気に押し寄せる暑さと、照りつける日差し。
頭上に広がる青く澄んだ空に、私は思わず、「マーチ・スカイブルー・ドリーム」の旋律を口ずさみたくなる。
────高校生になって、寮に引っ越して環境が変わってから、新しく忙しい日々に翻弄されてきた。
そんな中で、中学時代のことを思い出すことは次第に少なくなっていった。
それでも、今も時々こうして、「あの夏」のことを思い出すことがある。
大切な人がそこにいた日々。
あの場所で奏でた音。
あの日交わした約束。
そして、私がここまで辿り着いて、そして新たな出発をする「決断」をしたあの夏のおかげで、私は今、ここにいるのだから。
あれから、時の流れの中で、変わっていったものはたくさんある。
これからも、私が大人へと近づいていく中で、様々なものが変わっていくだろう。
────それでも。
私は今も、一歩一歩進んでいる。
あの夏から始まった、新しい夢に向かって。
私は確かに、生きているんだ。
────今へ、そしてこれから先へと繋がっている、あの夏の続きを。
-fin.-