あの夏の続きを、今


そして今日は、3年生の最後から2番目の本番の日。


例の、U小学校で行われる夏祭りでの演奏の日だ。


レナもハルトも行けないと言われ、結局私は、吹奏楽部のステージが終わった後、リサと一緒に行くことになった。


午前中はいつものようにコンクールの練習をして、午後からは夏祭りで演奏する曲の通し練習。


今日演奏するのは、新しく配られた曲が1曲。そしてもう1曲は吹奏楽祭で演奏したのと同じ曲だ。


前回は先輩から指定された場所だけを吹いたが、今回は1年生も全部吹いていいことになっている。


音楽室で合奏の隊形に座って、最初に全員でチューニングをする。


「全然音が飛んでないじゃないの。屋外での演奏なんだから、もっと音を飛ばさなきゃ」と西島先生。


「ほら、この窓から、大きい入道雲が見えるでしょ?あの辺りに向かって音を飛ばすイメージで、もう一度」


そう先生に言われて、私はもう一度、大きく息を吸う。


そして、先生の指揮の合図で、青い空に映える真っ白な入道雲に向かって、しっかりと音を飛ばす。


自分でも、さっきよりもだいぶ音が良くなっているのが、はっきりと分かった。
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