あの夏の続きを、今


それから、一通り合奏をして、出発の準備。


先に打楽器や大型楽器をトラックに積み込んでから、部員たちは自転車でU小学校へと向かう。


外は眩しいくらいに日差しが明るい。


木漏れ日の降る道を、トランペットパートの4人で並んで話しながら進む。


透き通るような青さの空。


蝉の鳴き声がそこかしこから聞こえてくる。


いかにも夏真っ盛りって感じだ。


そういえば、パート練習以外でこうやって4人で行動するって珍しい。


1年生から3年生までいて、男女混合。なんだか、青春って感じがする。


私のすぐ横には松本先輩。その上から降り注ぐ透明な光。


この美しい光景は────もう二度と見られないだろう。
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