あの夏の続きを、今
吹奏楽部の先輩に貰った絆創膏を傷口に貼ってから、私はクラス分けの表が貼ってある昇降口へと向かう。
表を見る新入生の人だかりから少し離れた所で、レナとハルトが立って待っていた。
「おかえりー、志帆!随分遅かったじゃん。もうクラスは確認しといたよ」
遠くから呼びかけるレナに、「えっ、どうだった?」と答えながら急いで近づく。
「俺とレナがA組、志帆がB組だった」と、ハルトが口を開く。
「えー、私だけ離れちゃってるー!ずるいずるい〜!私、休み時間になる度にA組の教室行っちゃうからー」
私がそう言うと、「歓迎するよ!」とレナが答えてくれた。
こうして、レナとハルトと別のクラスになってしまったことが分かった私は、一緒に1年生の教室のある西棟の4階へと向かった後、2人と分かれそれぞれの教室に入った。
B組の教室に入った私は、自分の席の場所と、同じクラスになった人たちの名前を確認する。
同じ小学校から来た人はたくさんいるけれど、特別仲が良いような人はいないみたいだ。
私の席の1つ前には、私の知らない女子生徒が座っている。
きっと、違う小学校から来た子だ。
このクラスで新しい友達を作りたいから────まずはこの子と仲良くなりたい。
でも、何て話しかければいいのか分からない。
小学校では、6年間ずっと同じ人達と遊んできたし、友達の作り方なんて、とっくに忘れてしまってるから。
「友達」って、何から始まるんだろう────
そんなことをあれこれ考えているうちに、不意にその子が振り向いた。