あの夏の続きを、今
それから私は全速力で家に帰って、私服に着替え、また全速力で夏祭りの会場のU小学校へと向かった。
さっき演奏した時よりも、会場はさらにたくさんの人で賑わっていて、屋台からは食べ物の美味しそうな匂いが漂ってくる。
自転車置き場に行くと、リサが待っていた。
「お待たせ、リサ!」
「あ、志帆!一緒に屋台回ろっ!」
そして私たちは、薄暗くなり始めた空の下、人混みの中を歩いていく。
「何か食べようよ、何がいい?」とリサ。
「やっぱり焼きそば!私、夏祭りに来たときには必ず最初に焼きそば食べるんだよね」
「焼きそばが好きなの?」
「うん!」
「じゃ、あっちに焼きそばあるから、買いにいこっか」
私たちは焼きそばの屋台へと向かう。
私たちの前には中学生か高校生ぐらいの、4人ぐらいの女子と二人の男子のグループがいて、焼きそばを買っている。
そして、その中の一人がふいに振り返った────
「「あ」」
そこにいたのは────
「ま、松本先輩っ!」
「また会ったね!広野さん」
なんと、松本先輩だった。
「奇遇ですね、こんな所で会うなんて」
「そうだね、楽しんでねー!」
「はいっ!」