あの夏の続きを、今
午前中は最後の練習があるので、朝から学校へと向かう。
いつもの長い下り坂の道。
空はどこまでも青く澄んでいる。
緊張する私を、優しく包んでいるみたいだ。
「おーい、志帆~」
後ろから聞き慣れた声が聞こえる。
振り返ると、レナがいた。
レナはいつもの明るい笑顔を浮かべていて、今朝見た夢の中での、あの態度とは正反対だ。
あんな態度など決してとりそうにない、いつもと変わらないレナを見て、少しホッとした。
「あ、レナ~!聞いて聞いて~!」
「どうしたの?なんか、テンションがいつもより上がってるねー」
「今日は吹奏楽コンクールなんだよ!1年間で最大の本番!」
「そっか、頑張ってね!部活しながら応援してるよ!」
「うん!ありがとう!」