あの夏の続きを、今


学校に着いてから、いつものように楽器を準備する。


チューニングとウォーミングアップをしてから、最後の通し合奏。


…まだまだ不安は残る。


ところどころ聞こえるリードミス、不協和音。


私も未だに運指を間違えてしまうところもある。


でも、今日まで頑張ってきたんだから。


トランペットパートの、この4人で。


そして、この部員たち全員で。


きっと、このメンバーの最後に相応しい演奏ができるはず────


そう、心の中で信じていた。


この音が、最優秀賞に届きますように。


松本先輩たちが、笑顔で引退できますように。


そう願いを込めて、前に西島先生に言われた通り、窓の向こうの青い空に浮かぶ、真っ白な雲に向かって吹く。
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