lastletter~君からの最期の手紙~

幼馴染み

ーーガラッ

勢いよく保健室の扉が開けられる。

誰だろうと振り返ると可愛らしい女の子がいた。

明るめのブラウンの髪は綺麗に巻かれていて、二重のぱっちりな目、薄いピンクの頰、小さく赤みがかった唇。

「ゆーくん!」

そしてその子は私と紺野のところへと駆け寄ってきた。

〝ゆーくん〟なんて呼び方するの…仲良いのかな?

そう思うと〝ちくん〟なんてする胸。

【亜希、どうしてここへ?】

「ゆーくんが倒れたって聞いて!授業が終わったら即ダッシュ!」

そう言ってふわっと笑う亜希ちゃん。

まるで花のような子だなぁ。

「それよりぃ…この子…誰…?」

あたしより背が5センチぐらい低い彼女はあたしのことを見上げる形になるけど…すごく睨まれているような気がする。

【僕を保健室まで連れてってくれた侑芽さんですよ。】

「あ…大倉、侑芽…です。」

一応、自己紹介しておく。

「あたしは奥村 亜希(おくむら あき)だよ!そっか!あたしのゆーくんを運んでくれてありがとう。」

〝あたしのゆーくん〟って…どういう関係なの…?

そう思うとまたしても〝ちくん〟と痛む胸。

「侑芽ちゃん!お話があるの、ちょっとこっちきて!」

そう言って保健室の一角に連れられる。

「耳貸して!」

そう言われて言われてとうり耳を傾ける。

「あたしのゆーくんだから。余計なことしないでね。部外者なんだから♪」

なっ…そう言おうとしたけどたたた〜と彼女は走って行ってしまった。

…ムカムカムカ…と怒りがふつふつと湧いてくる。

何よ…あの子…。

紺野は、ものじゃないのに…!

そう思った時、ハッとした。

あたしは…何熱くなってるんだろうって。

たかが、よくわからん女子に脅されたようなものなのに…何…思ってるんだろう。

紺野だって、あたしが怪我させた人にしか過ぎない。

まるで、あたしーーー紺野のことーーーー

好きみたいじゃないーーーー…。














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