必然的な運命
河原side
河原side
課長という役職を終え静まり返った夜の廊下を抜けて研究開発部のドアを開ける。
「お疲れっす。あら?須田は?」
「須田なら一旦帰ったぞ〜 ああ見えて愛妻家だからな?」
麻美ちゃんの手料理を食べに帰ったってことか。
総務部の課長として異動となり、柴田さんから麻美ちゃんが部下としていると聞いた。
山崎さんが亡くなった時、ただただ無心に死に向きあっていた麻美ちゃんを見て以来だ。
お葬式や納骨の手続き、遺品の整理など身寄りのない麻美ちゃんのため出来る範囲、僕と柴田さんと須田で受け持った。