必然的な運命
父の手帳がなぜ必要なのだろう。

ましてや、彼が何で父の手帳を知っているのだろうか。

「__っ、おい 山崎?」

「あっ、……すみません。」

「お前がボケっとしてるなんて珍しいな? 何かあったのか?」

今、ここで言ってしまったらどうなるのだろう。

桜木くんは柴田リーダーの部下になるわけで、しかも何の証拠もない、説得材料はゼロだ。

「いえ。……じゃあ私も失礼しますね」

逃げるように開発研究部の部屋を後にした。
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