必然的な運命
1.私の父
「いってきます」

誰もいない部屋に向かって朝寝けのかすれた声をかけた。

これが本日の第一声。

日課になれば慣れるもので、寂しいとか辛いとかいうことは時間が解決してくれた。

“生涯独り身”だなんて結婚すればそんなレッテルを貼られる事もないだろうが今の時点ではその言葉通りだ。

山崎 麻美(ヤマサキ アサミ) 23歳

物心ついた時から父と2人暮らし。

決して裕福ではなかったが何不十分なく育ててもらった。

思春期はそれなりに反抗期もあったが、父は私にただただ無償の愛情を注いでくれた。
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