必然的な運命
「フッ… 信じてないでしょ? 安心して? 僕は明日からこの会社から存在を抹消される。ちなみに僕の個人情報は全てデタラメ。検索しても無駄だからね?」

この1年間、私の同期はスパイでした。

……って、はい そうですか、で納得できる訳ないでしょうが。

「山崎さんってさ、その手帳の重要さを知らないでしょ?」

確かに。言われた通り持ってきたものの。

「どうせ、この手帳に研究データが入ってる。とかそんな所でしょ?」

「ご名答。……それだけだと思う?」

彼の一言一言に胸騒ぎがするのは気のせいだろうか。
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