必然的な運命
「俺を騙そうとしているのか?」

私が桜木くんでもそう答えると思う。

「お前が欲しい極秘情報は、これのことか?」

河原課長でもない、柴田リーダーでもない、久しぶりに聞く少し低めのドス黒い声。

奥からまたもや人が出てきた。

私がずっと会いたかった人物、千秋だった。

手には紙切れが数枚、ヒラヒラさせながらこちらへと向かってくる。

ちょっと会ってなかっただけで、こんなに胸がギュッとしている。

私の真横で立ち止まりチラッと私の方を見て、フッと笑った。

あぁ。もうそれだけでなんか嬉しい。
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