必然的な運命
隣の千秋から不器用に手渡された手帳。

返ってきた手帳に無意識に頬が緩む。

「あ、りがと… 」

久しぶりの千秋に戸惑いながらもお礼を伝えた。

「はぁ… お前な? なんでこんな大切な物を渡そうとしたんだ?」

ちょっと。そんな怒り口調で言わなくてもいいじゃない。

「だって中身なんて見てないから。そんな重要だとは思わなかったのよ」

見たところでどっちにしろ研究データの事だろうし、見てもわからないし。


「は? 麻美、その中身… 見た事ないのか?」
< 221 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop