必然的な運命
残された目の前の人物。

なぜか大きく溜息をつき「騙された」と一言、顔に手を当て項垂れている。


はあ?

いやいや、騙されたのはこっちですけど?

チラッと目線を向けたと思ったら、立っていた足を屈ませ座っている私に顔を覗かせてきた。

首を傾け、たしなむように私を見ている。

なんとも憎たらしい顔。

「……ふっ、なんちゅう顔してんだよ」

そう言って私の両頬に手を添えてムギュッと摘まれた。

「んっ!…らに、すんのぉ…よっ… 」
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