[完]その口、利けなくしてやるよ。
__ガラッ
奏風が入ってきた。
「一緒に登下校したくらいでカップルか。そしたらどこもかしこもカップルだらけだな?俺らは、幼なじみだってこと、知らねえからか。」
そう言って俺は奏風の方へ行き、奏風を連れて出てく
「奏風…」
「光都。付き合ってんならそれでいいと思うけど。」
後ろから聞こえた予想外の言葉に、勢いよく振り向く
「だって、好きなんだろ?それくらい最初っから気づいてたよ」
気づいてたなら……気づいてたなら、それこそ…
「最低だ…俺。」
「…裏切ったなんて、言わないけど」
「かな、た……っ」
次の瞬間、みるみるうちに奏風の表情は、闇にのまれるようになっていき、最後の言葉を発した。
「でも、もう光都とは話したくも何もしたくない。」
「かな、たっ……奏風っ」
去っていく間際振り向き、「安心して?佐伯さんにも近づくつもりはもうないから。」
初めて、奏風が怖いと思った。そして、俺と奏風の最後の会話になった。