[完]その口、利けなくしてやるよ。
「って、聞いてんのか?」
……奏風。もう会えねぇのか?もう、二度と、奏風の優しい声で明星の名前、呼んでくれないの?
…って、え?今、あたしのこと明星って…
自分で自分が元に戻っていく気がして、怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!
「明星!」
そう言ってあたしの肩を光都が掴んできた……
「やめろぉぉぉーーーーーーーーーー!!!!!」
「あ、明星?」
「はぁっ、はぁ、…離せ、……離せ…あたしに触るな触るな触るな!!……っう…はぁっ、はあっ…」
頭も心も冷静になれない。恐怖が全部を支配して。誰かに触られると、〝アノトキ〟のことを思い出す。
あたしは自分の両腕を握りしめて、下に座り込んでいた。