[完]その口、利けなくしてやるよ。


30分くらい経った時、1台のバイクに、前に男の人、後ろには、ヘルメットをとると綺麗なロングの髪の女の人がいた。


「……っ!ちょっとあんた!なにしたんだ……」


真面目そうな人に軽く止められて、あたしを見つけた時の様子を話してたんだと思う。


少ししてから、「触っても大丈夫か?」


って痛々しそうな顔をして聞いてきた。


なぜかその人の手は安心できて、怖くなかった。

そのまま起こされて、荷物はチャラそうな人のバイクに、女の人を乗せてきた人は、真面目そうな人のバイクに、そして、女の人が乗った後ろに乗せられた。



走ってから数分、倉庫みたいなとこに着いた。


「っはぁ、はっ……っあ、やっぁ……」


星竜の倉庫に連れていかれた時のことを思い出して、息が荒くなる。


「おい!大丈夫か?!」


全員慌てる。


「いや、いや……っ!」


怖かった。全身が震え始めて、尋常じゃなかったと思う。


真面目そうな人が、「さっきも言った。俺たちは、何もしない。汚いことはしないから。」と優しく言った。


その声に少し落ち着きを取り戻して、女の人に支えられながら、中へ入った。

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