[完]その口、利けなくしてやるよ。


震える手でシャワーを出す。


「……っつ」


傷口に少しお湯がしみて痛い。


けど、暖かいお湯が冷えきった体を暖めていく。


鏡に映ってる自分を見ると、嫌になる。


「きたない……」


あたしは狂ったように


「きたない!……っ汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い!!!!」


そう叫んでいて、気がつけば千咲さんが入ってきてて、あたしを抱きしめた。

抱きしめられた瞬間、その場に座り込んで、そんなあたしをずっと「大丈夫、大丈夫。ね?」そう言って優しく撫でてくれていた。



そのまま、あたしは服を着て…手伝ってもらったけど。
そして、もちろん濡れてしまった千咲さんも、着替えた。

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