[完]その口、利けなくしてやるよ。


上がって、ソファに座ったあたしにそっと、布団をかけてくれて、ココアも出してくれた。


そして、千咲さんが手当をしてくれた。


手当をしながら話した。とても優しい声で、とにかく安心したのを覚えてる。


「明星はさ、何歳なの?」

「じ、……じゅう……よん」

「えぇっ!14!?見えねぇな!」


笑い方はすごく豪快で、それはもう清々しいほどに。


「…どっかに入ってたのか?」

静かに頷く。

「そっか…悪いけどさ、あんたの事調べさせてもらった。」

少しだけ驚くあたしを見て、

「だって、こっちとしても見知らぬやつもしスパイとかだったら…な?」

と困ったように笑った。

「藤堂組、藤堂財閥。長女。両親、兄弟皆、雷鳴に殺された。そして、あんたは星竜。で、なぜかこうなったと。…最悪だな、あいつら。」

今までにあったことをすべて思い出した。殺された時のことや今日あったこと。怖くて怖くて……

< 213 / 350 >

この作品をシェア

pagetop