[完]その口、利けなくしてやるよ。
皆には、たくさんのことを教えてもらった。
戦う術も、ハッキングのことも、とにかく全てを。
そうして行くうちに、あたしは格段と強くなっていった。誰もが恐れるような人に。そして、自分でもびっくりするほどに。
気がつけば月日は経ち、愁華の姫は、千咲さんでなくあたしへと代わっていた。
「〝イチヒメ〟!ほんと、よくここまで頑張ったね!」
族の間でも有名となり〝イチヒメ〟なんて呼ばれるようになった。
「ほんとだよ!あっという間にあたしなんてババアだ!」
「あたしを救ってくれたみんなには尽くしきれねぇよ」
言葉遣いも、わざと、こういう風にするのを教えてもらった。
「誠也さん、皆…話があるんだ。」