[完]その口、利けなくしてやるよ。
ー明星sideー
「久しぶりに愁華に行ってみるか?」
光都が突然持ち出したアイディア
あたしは最初乗り気にならなかった。
だって、誠也さんになんて言ったらいいかわかんないじゃん。
けど、そんなあたしの不安を読み取った光都は、元気をくれた。やっぱり、暁都くんの弟だなって思った。
「頭……痛くなくなった。落ち着いてるうちに行きたい!」
突然あたしが大きい声で言うから、ビックリしたのか目を見開いている
「まさか、今からとか……」
「当たり前でしょ!?」
そう言うと、はぁ、とため息をつかれた。
……あたしなんかまずいことでも言ったかな?
わかんなくて首を傾げると、光都の顔は真っ赤になって、「わかったよ!まったく……」と投げやりにブツブツ言っていた。