[完]その口、利けなくしてやるよ。
そして
「着いたわよ」
走り続けること約20分、愁華の倉庫に着いた。
時刻は午後8時…まだまだみんな元気な時間だな。
倉庫の扉の前まで来て、後ろにいた2人に
「最初は一人で行かせてくれ。」
そう言うと2人は驚いたあと、分かったと頷いた。
________ガラッ、ガラガラ
重たい扉を開けた瞬間、騒がしかった中が静まり返って、一気にみんながこっちを見た。
皆はかなり驚いて、誰だろう、とか不安な感じの混ざった視線であたしを見る。
「…みんな……久しぶり」
思わず涙がこぼれそうになって、それを耐えて……自然と口元が緩んだ。
その瞬間、「明星さん!」「明星さんっすか?!」
とか口々にあたしの事を呼んで、近寄って来てくれた。
「元気でしたか!?」
「うん、……っ…みんな、はっ?」
「もう元気モリモリっす!って!泣いてんすか?!」
「み、っみんな、覚えて……」
あたしの言いたいことを悟ったのか、口を揃えて、当たり前です!と言い、おかえりなさいと言ってくれた。