[完]その口、利けなくしてやるよ。


そして


「着いたわよ」


走り続けること約20分、愁華の倉庫に着いた。


時刻は午後8時…まだまだみんな元気な時間だな。


倉庫の扉の前まで来て、後ろにいた2人に


「最初は一人で行かせてくれ。」


そう言うと2人は驚いたあと、分かったと頷いた。



________ガラッ、ガラガラ


重たい扉を開けた瞬間、騒がしかった中が静まり返って、一気にみんながこっちを見た。


皆はかなり驚いて、誰だろう、とか不安な感じの混ざった視線であたしを見る。



「…みんな……久しぶり」


思わず涙がこぼれそうになって、それを耐えて……自然と口元が緩んだ。


その瞬間、「明星さん!」「明星さんっすか?!」


とか口々にあたしの事を呼んで、近寄って来てくれた。


「元気でしたか!?」


「うん、……っ…みんな、はっ?」


「もう元気モリモリっす!って!泣いてんすか?!」


「み、っみんな、覚えて……」


あたしの言いたいことを悟ったのか、口を揃えて、当たり前です!と言い、おかえりなさいと言ってくれた。


< 227 / 350 >

この作品をシェア

pagetop