[完]その口、利けなくしてやるよ。


「颯也さんは相変わらずですね?……あれ?でも……」


そう、相真面目そうっていうか、イケメンだけど硬派な感じ?


だけど、当時黒髪だった颯也さんの髪の毛は……


「そうそう!こいつさ!明星が出てって半年くらいかな?経ってから、突然茶髪にしたの!」


うけるよね〜なんて言って手を叩いて楽しそうに笑う千咲さん


「でも、似合ってますね」


「お、おお、……ありがとう」


そのやり取りを何故かニヤニヤしながら見てたのは残りの2人


「……?なによニヤニヤしちゃって」


ふんっとむんつけてみると、「明星かわったね」って千咲さん。


「そうですか?っていうか、千咲さんこそ!変わったじゃないですか!」


どこが?なんて首を傾げるその仕草も今は色っぽい。


あれからもう3年経ってるし、あたしがここを離れてからも、もう2年は経つ。


だから、19だった千咲さんはもう23だし…当たり前なのかもしれないけど、言葉遣いは優しくなってるし、女性らしさが倍増してるっていうか……


そこで

「なあ、明星?俺の事忘れてないよね?」


暁都くんが心配そうにあたしに話しかける


「忘れてるわけないでしょ!」


「なら良かった」


ほっと安堵の表情になるのを見ると、よほど心配してたのか……


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