[完]その口、利けなくしてやるよ。
「……会わせて…下さいっ…」
合わせる顔なんかないかもしれないけど、どうしても自分の目で確認したかった。光都が今どういう状況か。本当に目を覚ましてるのか。
「車椅子で、行くか」
おじさんは、看護師さんを呼んで一緒に車椅子に乗せてもらい光都の病室まで向かった。
光都は集中治療室から一般病棟の一人部屋で、俺は2階だったけど、光都は4階だった。
段々近づくにつれて、心臓がドクンドクンと嫌な音を立てていた。
怖かったんだよ。もし本当に、嫌われてたら。
お前のせいだって、そう言われたら何も言えないことにも。
弓道をやってた光都が、肩を刺されて、もし後遺症が残ったら。
光都の未来までも俺は奪ってしまったことになるから。