[完]その口、利けなくしてやるよ。


「話しづらいな。もっとこっちに来いよ」


肩を固定されて、横を剥くのがしんどいようだった。


「……」


「そんな怯えないでよ…別に恨んだりしてないから」


いつもの口調で、苦笑いしながら、そう言った。


「……え」


「あれが、今までお父さんがやってきた結果だったんだよ。…死んだんだって?お父さん。」


「あ、ああ…。」


「俺には兄ちゃんがいるでしょ。例え違う父親(おや)の血が流れてたって、兄ちゃんは兄ちゃんだ。そんなの関係ないよ。今だって、大好きだ」


なんでこんなに出来の良い奴に育ったんだって、変なことを考えてしまったけど……号泣してしまった。

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