[完]その口、利けなくしてやるよ。
「…奏風が裏切ったことは、知ってるんですよね?」
「あぁ。……知ってるよ」
「…誠也さんなら、もうあたし以上に知ってると思うんです。教えてはもらえないでしょうけどね」
ついついひきつった笑みを見せてしまった。
「今の情報は、確信的じゃない…だから、言えない。けっして弟のことだから言えないわけじゃないから」
「誠也さんによって、そんな事しないですよ。どのみち、みんな信じてますから」
だって、こんなに素晴らしくできた人はいないと思う
「けど、…本当に苦しかったんです。人を信じられなくなってから、初めて信じることが出来て…私、奏風のことが好きになってたんです。」
そこで暴露したあたしの秘密の気持ち。誰にも言うつもりは無かったけど、ここにいる人には言っておきたかった