[完]その口、利けなくしてやるよ。
最終章
再スタート
あの日、あのままあたしは倉庫を出た。
もちろん幹部室にいるみんなに声もかけずに。
「……っふ、うっ…っふうっ……ううっ……っ」
一人泣き崩れながら帰った。
正直一人になりたかったってのが本音。
けど、それされ許してくれないのが皆。
「何先帰ってんだよ」
あたしの腕を掴んでいつもよりはるかに低めの声で、引き止めた。
「っううっ……ひとりにっ、し……ってっ……!」
「無理だな」
即答されたし、聞いてもらえなかったからそのまま家まで送ってもらった。
「ありがとう」
「一人で大丈夫か」
「あたりまえでしょ」
そういうと、どこか抜けたようにそっか。と言って帰った。