[完]その口、利けなくしてやるよ。


その日の夜



「愛紗ー?」



夜ご飯何が食べたいかと聞こうと思って、愛紗を呼ぶ



けど返事がない



「愛紗ぁー!!?」



少しずつ不安が押し寄せる…



「愛紗……あず……こ、光都っ……!」



真っ先に光都の名前を呼んでた。もう無意識に、何かあると光都のことを呼ぶようになった。



「こう、っと……」



いつもすぐ来てくれるのに、5分待っても、10分待っても来てくれなくて……




『お父さんっ……おにい、ちゃっ……!』




「あああああっ…い、やっ……いやぁぁぁぁ!」



呼吸が荒くなって過呼吸気味になってるとき



「明星っ!!」



光都が慌てて、私のところへ来て抱き締めてくれた



「っは、っはあ、はっ……」



「明星っ、明星!大丈夫かっ!?」




大丈夫だよって笑って言いたいのに、うまく酸素を出し入れできない



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