[完]その口、利けなくしてやるよ。
愛紗はなぜか部屋に急いで戻った
「光都…ごめんね」
「なんで謝んだよ」
「普通の奥さんならこんなことで…過呼吸なんてならないし。……それに、こんなことで旦那さんのこと呼んだりしないのに……」
不安が不安を呼ぶのかな…一度不安になると、全部が不安の対象になってしまう
________パコッ
「いたっ!」
「バカじゃねえの?他の家がどんなんだって関係ねぇんだよ。俺にはお前しかいないの。ここまで来んのに、俺達がどんだけ苦労しまくったのか忘れたか?…こんなんで嫌になってたら、そんな苦労ばっかの時にとっくに別れてるっつーの!」
なんで光都はいつもこんなに、私が欲しい言葉をくれるんだろう
「……っ」
光都と付き合ってから、いや、正確には結婚してから泣き虫になった気がする
「明星ほどいい女はいねぇよ」
そっと、私を抱きしめてそう囁いた________