[完]その口、利けなくしてやるよ。
ローファーに履き替えて校門を出た時だった……
「奏風ぁ」
ねちっとしたうっぜぇ男の声が前から聞こえた
見ると、校門にもたれかかってこっちを見ている奴がいた
「誰だ」
聞こえないように、コソっと聞いた
が、珍しく返答がなかった
それに違和感を感じ、隣にいる奏風の顔を見ると、
有り得ねぇくらいに眉間にしわを寄せ、睨んでいた
それは、一重で少し細めの目や、薄めで大きくも小さすぎもしない口、鼻筋の通った…いわゆるイケメンな顔が
歪んでたんだ……
その表情と、溢れ出す殺気に、声を出すことさえ出来なかった