[完]その口、利けなくしてやるよ。


「じゃあ、奏風(カナタ)!入って」



“奏風”?


何かを考える前に、一人の男が入ってきた


は?誰?


「ふふ、見事にマヌケ顔ね」


そう言いながら、その男の隣に並んだ


「紹介するわ、一之瀬 奏風(イチノセ カナタ)。あなたのお世話人」



「はぁ?何言ってんだよ、んなもんいらねぇよ」



「ダメよ?ここは危険なんだから」


そう言った校長に引っかかった


「“危険”?」


私が聞き返すと、言っちゃったとでもいうような顔をした


「おい、どういう事だよ」


「……奏風、あと連れて行って」


「おい!逃げんのかよ」


校長が椅子に座ろうとしてるところへ近づこうとした時、



「行くぞ」


無表情で私の腕を掴んで、引っ張る


「触んな!」


思わず、思いっきり振り払ってしまった……大声まで


「奏風、その子には触れたらダメよ」


< 7 / 350 >

この作品をシェア

pagetop