【短】お前に首ったけ
「なんで、逃げんの?別に本気で食わねぇよ?」
「ば、ばーかばーかばーか!燈耶のばーか!なんなのよ!もう!」
「くはっ…お前は子供か。好きな女に近付いて何が悪いよ?」
「ね、寝言は寝てから言え!」
「へいへい…んじゃ、帰っか」
ほれ、と手を差し出すと、一瞬「なに?」と躊躇した後、おずおずと手を俺の前に出してくる。
それをぎゅうっと握って、自分の方へ引き寄せた。
「な?!」
「油断したお前の負け、だな。家まで送ってやるから、大人しくしてな」
俺は、上機嫌で翠と手を繋いで帰宅する事にする。
ぎゃーぎゃーわめくかと思いきや、翠は顔を死にそうな程赤くして、「ばか」と言うだけで手を解こうとはしなかった。
それに驚きながらも、俺は嬉しさが勝ってでたらめな鼻歌を歌いながら、今にも降り出しそうな空の下を歩き始める。
「ば、ばーかばーかばーか!燈耶のばーか!なんなのよ!もう!」
「くはっ…お前は子供か。好きな女に近付いて何が悪いよ?」
「ね、寝言は寝てから言え!」
「へいへい…んじゃ、帰っか」
ほれ、と手を差し出すと、一瞬「なに?」と躊躇した後、おずおずと手を俺の前に出してくる。
それをぎゅうっと握って、自分の方へ引き寄せた。
「な?!」
「油断したお前の負け、だな。家まで送ってやるから、大人しくしてな」
俺は、上機嫌で翠と手を繋いで帰宅する事にする。
ぎゃーぎゃーわめくかと思いきや、翠は顔を死にそうな程赤くして、「ばか」と言うだけで手を解こうとはしなかった。
それに驚きながらも、俺は嬉しさが勝ってでたらめな鼻歌を歌いながら、今にも降り出しそうな空の下を歩き始める。