ぶっ飛びプリンセス

side:リオン


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城の正門からポプリに乗り
走り出して随分経つ

どこに向かっているのか分からない
しかし、ポプリの向かう先にルナが居る気がする

鬱蒼とした森をひたすら走るポプリ
整備されてない所

沢山の木の枝や草がポプリの体を傷付ける
それでもポプリは走るのをやめない

日が傾いて来た
もうすぐ夕方だ


するとポプリが速度を緩め始めた
走るのをやめ、探るように歩き始めた


「このあたりに…ルナがいるのか?」


しかし、人の気配はしない
ザワザワと葉っぱの擦れる音しか聞こえない


「ルナっ!どこにいる?!」


声を出して呼んでみるが反応はない

そこで、俺の脳裏に嫌な予感が過る
ルナは…返事が出来ない状態なのかもしれない
俺の声すら届かない…最悪の状態


「ルナ…いるなら返事をしてくれ」


手綱を握る手に力がこもる
するとポプリが早歩きで歩いた

そして、ポプリが足を止めた
そこには…


木に寄り掛かり目を閉じているルナが居た



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