ぶっ飛びプリンセス
ルナがゴソゴソと取り出したのは注射器だった
針はついていない
代わりに細いチューブが繋がっている
そのチューブを花弁の中に挿し込む
挿し込んだら、注射器を引く
すると、透明な液体が少量注射器の中に入って行く
花を変えては注射器を挿し液体を採取していく
「もういいかな?」
ルナが注射器の中身を確認して頷く
量にして1mlもないが、ルナが満足そうに頷くならそれで十分な量なのだろう
採取したそれを注射器から小さな小瓶に移し替えて密封
「はい、リオン様!月光華の蜜です。コレをお兄様に飲ませましょう!」
ルナは俺に蜜の入った小瓶を渡す
薄く色付く透明な液体
コレで兄が目を覚ますかもしれない?
俺が小瓶を眺めているとルナは再び蜜の採取を始めた
「ルナ?何してるの?」
「他国から持ち帰った怪しい液体をラルム様に飲ませる許可をもらう為に…コレを」
同じ様に採取した花の蜜
それをルナは指に付けてペロリと舐めた