ぶっ飛びプリンセス
洞窟を出て元来た道を戻る
空に輝く満月を見てルナが小さく声を出した
「あ、思い出した」
何を思い出したのだろう
不思議に思っていると、ルナが俺を見て笑った
「昼間の話です。私が城を抜け出してパーティーに出なかった話です」
「あぁ、その話か」
昼間ミエルに聞いた時は覚えていないと言っていたルナ
それを思い出したらしい
「あの日も今日みたいな満月だったんですよ。ちょうど、月光華の事を知った頃でどうしてもソレを見たくて…ミエルの服を盗んで城を抜けて、ここの洞窟に来たんです」
「…盗んだんだ…ミエル可哀想」
「今は反省してます。でも、城を抜け出したから…リオン様に出会えたんですよ。月光華を見て満足したので城に戻った。そこで、庭にポツンといる人を見つけたんです。スルーしても良かったんですが、なんか落ち込んでるみたいでしたし、気になって話しかけたんです」
それが、俺とルナの本当の出会い
ルナは忘れてたし、俺はルナを男の子だと思っていたが…思い出して、男の子の正体が分かった瞬間すごい運命を感じてしまう