ぶっ飛びプリンセス

「…反応、ありませんね」


医者がポツリと呟く
その場にいる全員が落胆した

またダメだった…


「ごめんなさい…」


夜中に連れ回してまで手に入れたのに、すごく申し訳ない気持ちになる


「ルナが謝る事じゃない。気にするな」


リオン様が頭を撫でてくれる
でも、期待した分ショックが大きい

医者が撤収していく
そして、ラルム様がポツンと眠るいつもの光景に戻った


「さて、じゃぁ、私はこのままラルム様のお世話をしていきますね」


気を取り直して、腕まくりをするアイル
それもいつもの光景だ

あぁ…本当…どうして目を覚まさないのよ


「ルナは俺と居るから、アイルはゆっくり仕事していて構わない」

「いつもお心使いありがとうございます。終わりましたら、ルナ様をお迎えに参りますね」

「あぁ、兄をよろしく。…行くよ、ルナ」


リオン様に促され、アイルを残して部屋を出る

あぁ、結局いつもと変わらない…
また、一から考えよう

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