氷のヒカリ



「ここだよ」



人通りが少ないところで周りを警戒しつつ彼女の後ろを歩いていたら、いつの間にか着いたらしい。



「あれ、鍵が閉まってる……お母さんたち、出かけてるのかな?今日は家にいるって言ってたのに」



彼女はそう言いながら、ドアの鍵を開け、中に入った。



すると、本当に直感だが、嫌な予感がした。



「ただい……キャーッ!」



リビングに入ったと思えば、彼女が悲鳴をあげた。



まさかと思い、駆けつけると、案の定男性と女性が血を流して倒れていた。

彼女は腰を抜かし、その場にへたりこんだ。



「遅かったか……!逃げるぞ!」



彼女のご両親は首元を切られている。

これは、あの会社の殺り方。

ということは、もう確実に亡くなっている。



「なん、で……」



目の前で死体を見て混乱するのは当然だ。



彼女の腕を引っ張っても、彼女は動けなかった。



「しっかりしろ!このままだと、お前も殺されるぞ!」



俺は無理やり彼女を立たせ、部屋から出ようとしたが、刃物がそれを許さなかった。



俺たちに向かって飛んできた刃物を、彼女をかばうようにしてギリギリのところで避ける。


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