氷のヒカリ
「ちっ。外したか」
刃物を投げてきた暗殺者が出てきた。
「もう足を洗うつもりで辞めたんだけどな!」
隠し持っていた愛用の短刀で暗殺者を殺す。
「行くぞ!」
転校生を連れて家を出た。
「ここまで来れば大丈夫だろ……」
逃げ込んだ先は路地裏。
人通りが少ないところを避けようかと思ったが、こっちのほうが気配を感じやすい。
彼女は壁に背を預けるように、座り込んだ。
「氷室くん……今の、説明して」
上げられた彼女の目には、涙がにじんでいた。
だが、覚悟を決めたような表情をしている。
「……なにから言えばいいか……」
「要点だけで大丈夫。今、詳しいこと言われたって、理解できないから」
「……わかった」
俺は頷き、彼女の横に座った。
「俺は暗殺者で、さっきの男と同じ会社に雇われていた。俺が暗殺を辞めようと思ったきっかけは、アンタ」
「え、私?なんで?」