氷のヒカリ
壱
「翔太君が殺されたんだって!」
翌日、遅刻ギリギリに教室に入ると、その話題で持ち切りだった。
教室内には限らず、職員室もだ。
いっそのこと、学校全体と言っても過言ではないかもしれない。
まあ、当然だろう。
俺が昨夜殺した尾崎翔太というのは、生徒にも教師にも人気があった生徒だったのだから。
まったく、どうしてそんな奴を殺せと指示するのか……
上の人間が考えることが、さっぱり理解できない。
「……どうしてアイツ、平気な顔してられるのかな?」
「翔太が死んだっつーのに、ありえねえ」
「隣の席で、仲良くしてもらってたくせに」
「さすが、冷血人間」
表情を一切変えず、窓側の一番後ろにある自分の席に着けばこれだ。