氷のヒカリ



俺はというと、一週間で口数が増えたらしい。

転校生にでも影響されたか。



しかし、実際に影響されたのは、転校生のほうだった。

俺と話したりなんだりしていたせいで、いつしか転校生の周りには人が集まらなくなっていた。



ある日の放課後。



俺は個人懇談でほかの生徒より帰りが遅くなった。

荷物を取りに教室に入ると、転校生がまだ残っていた。



「氷室くん、あのね……」



いつも変わらぬ笑顔で話しかけてくる転校生の言葉を遮るように言う。



「悪いけど。もうやめてくれる?俺に関わるの」



俺なりに気を遣ったつもりだった。

こう言えば、転校生にまた友人が出来ると思ったんだ。



でも、転校生の反応は予想とは全然違った。



「やめないよ。だって、ようやく氷室くんが人間らしくなってきたんだもん。このチャンス、逃すわけにはいかない」


「……頼んだ覚え、ないんだけど」


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