私とセンセイ
わたしの秘密
そんな特別なセンセイにも言えないことがあった。
それは
私の家庭のこと。
私の母親は事故で亡くなっている。
父親は母が亡くなってから、随分と性格が変わり、酒と女とギャンブルに夢中だ。
そんな肩身狭い家には帰りたくなくて、よく寄り道をしてなかなか家には帰りたくなかった。
今日も帰りたくないな…寄っていこう。
と思い立ち寄った公園で気づかないうちに時間が経っちゃったみたい。
急いでその公園を出ようとしたら
『ちょっと君。高校生かい?』
「え、あ、はい。」
町のお巡りさんに職質されてしまった。
『困るなーこんな時間に1人は。危ないだろう?』
「あの…もう帰りますから。大丈夫です。」
『そうゆう訳にはいかないんだよー。未成年は保護者が迎えに来てもらわないと。』
「そ、そうなんですか…。」
そのお巡りさんと一緒にとりあえず交番に行こうと歩いている時、
1台の紫色の車が止まった。
その車は私が間違うはずない。
「センセイだ。」
「あのー。うちの生徒なんかやらかしましたー?」
『こんな時間に1人で公園にいたもんだから、保護したんですよ〜』
「じゃあ俺が教師として家まで送り届けますから。」
『あ、本当ですかー。先生の方からも親御さんに言ってやってくださいよー。こんな時間に女の子を外に出すなって。』
「まぁそれもそうですけどねー。」
こんな小さい町だからお巡りさんとも顔見知り。
「ほら、突っ立ってないで、さっさと乗った乗った。」
「あ、あの…すみません。」
私は大好きなセンセイに怒られるのを覚悟しながら。
でも、大好きなセンセイの車に乗れてよかったと思う複雑な気持ちでいっぱいだった。