君と私。

「ちょっといい?」

まぁ私の学校生活が楽かと言ったら、そんなわけがない。
だって、隣の席は律樹。
部活ではナリ先輩と関わってるわけだから。


『ここで言ってくれないかなー
歩くのめんどい』


「じゃぁ…」


女子たちはニヤッと笑う
やはい…これは


『わ、わかったからコチョコチョ禁止ね
でもとりあえずここで話そ』


「ラインのこと聞いてくれた?!」

「成嗣先輩の写真とってくれた?!」

「律樹くんからライン既読無視された!」

「愛衣助けて!」


女子たちは必死。
そう、いじめられはしないんだけど、質問タイムがすごい。
疲れるよ、とてつもなく。


ナリ先輩の写真とかとれるわけ無いでしょ?
いやファンの皆様に怒られます


『とりあえず君たち落ち着こう』

「愛衣は私達の味方!」


うん、そう思われると嬉しい。
それが敵になったら殺される確定。

まぁ一回ナリ先輩とのデタラメを言われて危なかったけど…


ーー何してるわけー?めいに
俺さー…近づくなって言ってんじゃん…わかんない?



あの時は律樹に助けてもらった。


「でもなんで愛衣は好きな人いないの?」


『あー……うん、今はいいかなーって』


私だって好きな人はいたよ?
そりゃ人間だし人にときめくこともあった。
まぁ振られたけど…


「なぁに話してるのー?俺もまーぜーて?」


律樹は私を後ろから抱きしめる。
それに女子たちは赤くなる。


『やめて、きもいから』

「ひどいなー、」


好きだった。
初恋だった。


ーーごめん、愛衣
  めいのこと妹としてしか見たことなかった。



『バカりつ、離れろ!
そっちの子に抱きつけ!』



「えー?こんなに好きなのにー」



りつ…



『いいから!』



のお兄ちゃんが。
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