騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「今日は朝まで、寝かせない」
「……っ!」
「寧ろ明日も明後日も……夜は、寝かせてやれないだろう」
「ちょ、ちょっと待って、ルー──っ!」
たった今、心の中で覚悟を決めたばかりのビアンカだったが、唐突なルーカスの宣言に目を見張った。
けれどルーカスの宣言通り、その日の夜は、ビアンカが生きてきた十七年という年月の中で一番長い夜となった。
「ビアンカ……お前が、愛しい」
繰り返される、愛の言葉。
瞼を閉じても鮮明に映る彼の身体は逞しく妖艶で、そして何より温かかった。
「力を抜いて、俺に全てを預けろ」
初めて知る、互いの熱。甘い痛み。
何度も何度も鳴かされては揺らされる闇の中、温かい大きな手が、小さな手を導くように強く、包んだ。