騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「た、大変失礼いたしました! まさか、国王陛下直々にお迎えして頂けるとは思わず……! 私の方こそ陛下にお会いできて、とても光栄にございます……!」
ビアンカが慌ててドレスを持ち上げ頭を下げると、オリヴァーは困ったような笑みを零した。
「いえ、どうかお気になさらず。寧ろ謝らなければいけないのは、こちらの方で……」
「え……?」
「実は、ビアンカ王女の夫となる我が弟が、まだ王宮に帰っていないのです。本来であれば、今ここにいるべきなのはルーカスだというのに……」
溜め息を吐きながら、額に手を当てたオリヴァー。思いもよらない話に、ビアンカは返す言葉を失った。
ルーカスが、王宮に帰っていない?それは一体、どういうことなのだろうか。
何か、大切な政務でもあり王宮外に出てしまっているとか?
たとえそうだとしても、このあと執り行われる婚儀は、どうするつもりなのだろう。