騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「皇太后陛下、前宰相アーサー。そして、既に捕らえた侵入者ともに、引き続き騎士団が身柄を拘束せよ」
「はっ」
「処分については今後、十分な調査を行なった後、決めることとする」
その、オリヴァーの言葉を合図にジェドと共に大食堂に来ていた騎士団の精鋭たちが、王太后の横に立った。
「……!」
と、それを視線だけで追っていたビアンカは、不意に背後に気配を感じて振り返る。
するとそこには彼女の後ろを守るように立つルーカスがいて、彼はビアンカを見ると、そっと、その目を細めた。
慈悲深い彼の目は、ビアンカだけにのみ向けられるもの。
無性に胸が熱くなったビアンカは、たまらずに彼の腕の中に飛び込んだ。