騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 


「王女もすでにご周知のとおり、弟は第二王子でありながら、この国の王立騎士団の騎士団長を務めております」

「き、騎士団長……?」


残念ながら、初耳だ。


「はい。それで今朝から、国内で暴れていた山賊の討伐に乗り出しておりまして……。結果は今、ビアンカ王女が聞いた通りなのですが、剣の腕は間違いなく、この国一の実力を持っています」


ニッコリと。朗らかに言うオリヴァーとは裏腹に、ビアンカはドクドクと心臓を不穏に高鳴らせていた。

ルーカスが騎士団長で、この国一の剣の使い手? そんなこと、ビアンカは今の今まで知らなかった。知らされていなかった。

だってルーカスは、幼い日に会った時のように花好きで、穏やかな青年へと成長してるものだとばかり思っていたのだ。

そんな彼となら、たとえ政略結婚であろうと温かで優しい家族になれるのではないかと、淡い期待すら抱いていたのに──。

 
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