騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「俺の全ては、お前のためにある」
「え……?」
「だからお前も、早く俺に全てを預けろ」
甘い命令は、ビアンカの胸の鼓動を高鳴らせた。
たった今、渡された言葉を簡単に信じることなんてできない。
それなのに、ルーカスの瞳があまりに真っ直ぐだから、ビアンカはただ困惑するしかなくて……。
「ビアンカ……お前を、愛している」
「……っ!!」
それは突然の、愛の告白だった。
ルーカスの想いが触れ合った唇から伝わって、身体の奥が熱くなる。
思わず彼の纏う黒いコートを掴んだビアンカは、何度も角度を変えては深く繋がる唇に、ただただ必死に応え続けた。
「……お前のことが、愛しくて、たまらない」
……どうして。
どうしてルーカスは、こんなにも自分のことを──?
胸に浮かんだ疑問は、口に出すことができないまま。
二人はそのまましばらく、締め切られた部屋の中で互いの熱を確かめ合っていた。